コンテンツビジネスと著作権の現状(1):ジャパン・ライツ・クリアランス荒川氏インタビュー
先日エントリとしても掲載した荒川さんのインタビュー記事です。著作権の管理スキーム側、且つ民間ベースで動いている人というのはそうたくさんいらっしゃる訳でもないことから、事前のミーティングも含めて面白い視点と、関連事業のキーファクター項目なんかを頂けました。(ありがとうございます。mOm)
非常に長文になってしまったので、二回に分割して掲載します。後編はこちらから。
--会社を立ち上げた経緯や理由についてお願いできますか?
直接的には仲介業務法の改正から著作権等管理事業法の成立ということが、大きな契機として挙げられます。
いわゆる「規制緩和の流れ」の一環であったことは間違いないのでしょうが、コンテンツビジネスのあり方が変容しようとしている中で、著作権等の管理や慣行などに於いても、時代に即した新たなスキームが必要であったと官も民も感じつつあったということだったのでしょう。
文化庁などで法改正が議論されていた00年春頃。10数社のアーティストマネージメントオフィス/音楽制作プロダクションの経営者が集まって、新しい時代におけるプロダクションビジネスのあり方・・・中でも特に自らの周辺にある様々な権利がどのように変容してゆくのかということについて研究するための定期的な会合がスタートしました。そしてそのミーティングに私も参加するようになりました。
余談ですが、プロジェクト名は「KAZU(数)」としていました。Digitalは、一つ一つキチンと数えられることを可能にする、という意味を込めてのものです。
私は当時、コンサートの企画・制作・招聘業務を主たる事業とした会社(株式会社プロマックス)に属していたので、プロダクションビジネス・音楽出版ビジネス・著作権ビジネスのことなどについては素人に近いようなものでした。
しかし、坂本龍一氏のコンサートの制作に携わっていた関係から、インターネット関連の技術やビジネス動向には敏感であったこと、そして、坂本氏が持つ権利のあり方についての考え方などに直接影響を受けたことなどもあり、KAZUミーティングのオーガナイザーから「ネット関連音楽ビジネスにかかる新しい動向を色々と持ってきて欲しい」という期待をかけられていたのだろうと思います。
毎月1回、2回程度の定期的なミーティングを積み重ねる中で、プロダクションビジネスにおいて今後ますます著作権に対する考えを自分たちがしっかりと確立し、しっかりと運用してゆくということが強く求められるようになるだろう、ということが共通認識になってゆきました。
その流れの中において、私的なミーティングの域を抜け出し、責任のよりどころを明確にする必要があるだろうということで、著作権等管理事業法の成立(00年11月)を待って、KAZUミーティング参加プロダクションが出資する形で00年12月に法人を設立しました。
私が代表者になったのは、KAZUミーティングにおいて、唯一中立的な立場だったということが最も大きな理由だったのかもしれません。
JRCの代表に就任するまで、キチンと著作権法を読んだこともありませんでしたし、JASRACの約款や使用料規定などについても深くは理解していませんでした。そんな素人がいきなり著作権管理事業者の代表に・・・なんていうのは自分でも無謀だとは思いましたが、逆に、それまでの常識をあまり知らない方が新しいことが出来るのかもしれないと思うようにしてこの事業に飛び込んでみました。
--どのような課題、機会をターゲットとした事業なのでしょうか。
アナログ時代のコンテンツディストリビューションのポイントは、いかに上手くボトルネックを握るか?という点にあったと考えています。要は、情報や権利のボトルネックを契約や金銭などを駆使しながら上手く押さえ、全体をコントロールしてゆくというビジネスモデルですね。
で、そのようなビジネススタイルがデジタル・ネットワーク時代の訪れと共に大きく変貌しています。ボトルネックはほぼ全て解消され、アーティストからダイレクトにファンにコンテンツを届けることすら可能です。そのことはある面、非常に理想的な時代と言うことが出来るでしょう。
しかしその一方、ビジネスというスタンスから見ると、全くボトルネックが無い構造というのは(語弊はありますが)「危険な状態である」ともいえましょう。
ここで求められるボトルネックというのは、流通を阻害する要因という意味合いよりも、情報流通の強弱をつけたり、様々なチェック機能といったものになってくると思われますが、我々はこのチェック機能をいかに適正に透明度高く提供できるのだろうか?という点でビジネスを展開している、ということが出来るのかもしれません。
アーティストがクリエイティビティを存分に発揮できる環境というのは、ビジネス的側面を気にしないでいられる環境であるともいえます。プロダクションビジネスというのは、そのような環境作りが非常に重要なんだと思います。
その場合、アーティストとプロダクションの信頼関係が重要になってきます。その信頼は人的なものの上に成立するのが理想的ですが、さらに、それを補強するためにも、「より適正な契約とより適正な分配」が必要となってきます。
このような機能を提供するのが我々の使命であると同時に、新しいコンテンツ利用形態が出てきた際に、お仕着せではないルールを構築してゆくことを通じて、アーティスト活動をサポートしてゆくということも重要だと考えています。
余談ですが、プロジェクト名は「KAZU(数)」としていました。Digitalは、一つ一つキチンと数えられることを可能にする、という意味を込めてのものです。
私は当時、コンサートの企画・制作・招聘業務を主たる事業とした会社(株式会社プロマックス)に属していたので、プロダクションビジネス・音楽出版ビジネス・著作権ビジネスのことなどについては素人に近いようなものでした。
しかし、坂本龍一氏のコンサートの制作に携わっていた関係から、インターネット関連の技術やビジネス動向には敏感であったこと、そして、坂本氏が持つ権利のあり方についての考え方などに直接影響を受けたことなどもあり、KAZUミーティングのオーガナイザーから「ネット関連音楽ビジネスにかかる新しい動向を色々と持ってきて欲しい」という期待をかけられていたのだろうと思います。
毎月1回、2回程度の定期的なミーティングを積み重ねる中で、プロダクションビジネスにおいて今後ますます著作権に対する考えを自分たちがしっかりと確立し、しっかりと運用してゆくということが強く求められるようになるだろう、ということが共通認識になってゆきました。
その流れの中において、私的なミーティングの域を抜け出し、責任のよりどころを明確にする必要があるだろうということで、著作権等管理事業法の成立(00年11月)を待って、KAZUミーティング参加プロダクションが出資する形で00年12月に法人を設立しました。
私が代表者になったのは、KAZUミーティングにおいて、唯一中立的な立場だったということが最も大きな理由だったのかもしれません。
JRCの代表に就任するまで、キチンと著作権法を読んだこともありませんでしたし、JASRACの約款や使用料規定などについても深くは理解していませんでした。そんな素人がいきなり著作権管理事業者の代表に・・・なんていうのは自分でも無謀だとは思いましたが、逆に、それまでの常識をあまり知らない方が新しいことが出来るのかもしれないと思うようにしてこの事業に飛び込んでみました。
--どのような課題、機会をターゲットとした事業なのでしょうか。
アナログ時代のコンテンツディストリビューションのポイントは、いかに上手くボトルネックを握るか?という点にあったと考えています。要は、情報や権利のボトルネックを契約や金銭などを駆使しながら上手く押さえ、全体をコントロールしてゆくというビジネスモデルですね。
で、そのようなビジネススタイルがデジタル・ネットワーク時代の訪れと共に大きく変貌しています。ボトルネックはほぼ全て解消され、アーティストからダイレクトにファンにコンテンツを届けることすら可能です。そのことはある面、非常に理想的な時代と言うことが出来るでしょう。
しかしその一方、ビジネスというスタンスから見ると、全くボトルネックが無い構造というのは(語弊はありますが)「危険な状態である」ともいえましょう。
ここで求められるボトルネックというのは、流通を阻害する要因という意味合いよりも、情報流通の強弱をつけたり、様々なチェック機能といったものになってくると思われますが、我々はこのチェック機能をいかに適正に透明度高く提供できるのだろうか?という点でビジネスを展開している、ということが出来るのかもしれません。
アーティストがクリエイティビティを存分に発揮できる環境というのは、ビジネス的側面を気にしないでいられる環境であるともいえます。プロダクションビジネスというのは、そのような環境作りが非常に重要なんだと思います。
その場合、アーティストとプロダクションの信頼関係が重要になってきます。その信頼は人的なものの上に成立するのが理想的ですが、さらに、それを補強するためにも、「より適正な契約とより適正な分配」が必要となってきます。
このような機能を提供するのが我々の使命であると同時に、新しいコンテンツ利用形態が出てきた際に、お仕着せではないルールを構築してゆくことを通じて、アーティスト活動をサポートしてゆくということも重要だと考えています。
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